行合崎キャンプ場(青森県)
2010年 9月

所在地:青森県西津軽郡深浦町大字広戸
料金:無料(夏季有料期間中は¥1,500/張・6人)

猛暑の夏が収まりをみせずに、引きずったままもう9月になってしまいました。
連日30℃超え・・・相変わらず暑いです。

9月といえば・・・山形の名物、日本一の芋煮会フェスティバルが開催・・・う〜む、残暑で大鍋の周りも芋煮も熱そうだ。
とは言え、芋煮シーズンの幕開けだ。

9月といえば・・・September・・・Septemberと言えば、E/W&F(アース・ウィンド・アンド・ファイヤー)?笑
よし、出掛けはコレを聴きつつドライブしよう!

9月といえば・・・(ばき



今回は単独で出掛けられる。
このところの熱帯夜・・・寝苦しいなか、どこへ向かうか想いを巡らせてみる。
ふと、自分のHPのフォトギャラリーの、行合崎の風光明媚な風景を思い出すと、どうしても行きたくなってしまった。
だが、宮城から青森・深浦のこのキャンプ場までは・・・遠いのです。

翌早朝、まだ薄暗い時間に起きる。
そそくさと荷を車に入れ、静かに出立・・・。

行合崎へは2年ぶりの再訪となる。
実は、先日問い合わせをしてみたのだった。
やはり、2年前と同様、海水浴シーズンが終ったあとも、まだトイレ・水道は止められていないとのこと。
9月中旬までには閉鎖となる見込みだという。

さて、夜明けのドライブ・・・E/W&FのSeptemberが車内に心地良く響く。
下道は車も少なく、順調に進む。

R108で宮城・古川〜鳴子〜秋田・雄勝〜本荘へ進む。
そこからR7へ接続して、日本海の海岸線沿いにドライブ・・・風景も最高だ。
トロトロとのんびり進んで行くのが、何より楽しいドライブ。

本荘〜秋田〜能代へと進み、今度はR101へ接続する。
R101を進み、八森のハタハタ館へ着く。
そう言えば、お腹が減りました・・・pm1時過ぎ・・・ドライブに夢中で遅い昼ごはんになってしまった。



館内で販売のお弁当・・・漁師弁当¥380(だったと思う)。
ホタテにタコ・・・美味しい、安いし満足の弁当でした。



八森を過ぎると、いよいよ青森への県境を越える。
ずっと海岸沿い、水平線を眺めながらのドライブ風景・・・もう、最高で舞い上がってしまう(笑

深浦町に入り舮作(へなし)へ差し掛かると、黄金崎不老ふ死温泉へ寄る。
不老不死温泉という温泉は、同じ青森には津軽半島にもう一つあり、平舘不老不死温泉がそのもう一つです



入浴料¥600は、自分としては足踏みするところだが、なにせ気が舞い上がった「お上りさん」状態のため、冷静でないのだろう。(笑
腕にテープを巻いてもらい、料金を払った印しをつけて露天風呂へ向かう。



名物の海岸の際にある野天風呂。

      

オレンジジュースに浸かっているかのようなお湯・・・笑
波打ち際で開放感抜群・・・。

雰囲気イイねー、コレは!もう、最高でしょう!
が!今日は日差しが暑いのよ・・・焼けてしまう。
でも¥600!・・・貧乏人ゆえ、たっぷり浸からせていただく(笑

湯上り、止まらない吹き出る汗をタオルで拭いつつ、もう少し進む。
一旦、行合崎の広戸〜風合瀬(かそせ)を通り過ぎ、千畳敷まで走らす。



千畳敷の岩畳・・・自然の造形美。
その先一気に鯵ヶ沢まで行くか、とも思っていましたが、やはり遠く時間的にもここまでにして、戻りは風合瀬の道の駅に寄って食料を調達。

     

さて、戻っていよいよ行合崎キャンプ場へ入場しましょう。
ここのキャンプ場へは、車で入ることはできません。
電車の線路を跨ぐ手前の広い駐車場へ車を置くことになります。
この先には漁港があり、この高架橋は漁港関係者以外は、車両の乗り入れが禁止されている。



この道路の先が漁港。
左手、車止めの先に上ると行合崎。
この先は、自転車を含む一切の車両が進入禁止・・・徒歩でしか入ることが許されない決りとなっています。

先の高架橋を車で通り、この場所に車を置いて荷運びしたいのが人情だが、ココは駐車禁止区域です。
したがって、このキャンプ場でキャンプするには非常に大変な荷運び作業を要するのです。
想像して頂きたい・・・はるか彼方の駐車場から家財道具にも似たキャンプ道具をエッホエッホと運ぶ様子を。



それだけでなく、更にこの長く急な階段をも上下せねばならないのだ・・・
これを何往復してまで荷を運ぶ試練、修行にも似たキャンプをしたいと思う人がどれだけいるだろうか?

      

その階段を下りる手前、丘の上にくると立派な管理棟。
通常はここで利用受付を行う。

トイレは開いており使用可、有料期間が終っているので、管理人は居らずシャッターが閉まっている。
ちなみに、管理棟周辺の草地も良いサイトにみえるが、環境保護のためキャンプ行為は禁止です。



有料期間中はテント1張り¥1,500・・・如何でしょうか。
近くに漁港の密漁監視員のお二人がいたので、しばし世間話。
この付近は、海の幸に恵まれる土地柄ゆえ、アワビ、サザエなど密漁が絶えないのだと言う。



うおー!!
すっばらしい!!
身震い・・・鳥肌が立つような感動が身を包む。



綺麗な草地・・・特に草刈はしていないが、自然に居心地の良い状態になっているようです。
う〜〜む、最高なんです!



サイトから見あげると、こんな位置関係です・・・
道路はあの丘の向こう、更に駐車場は線路を渡った先。

車からは完全に離れる状態。
バイクなど二輪車のライダーさんには、利用を躊躇うキャンプ場ではないかと思う。
あの駐車場にぽつんと愛車を置き一晩離れたのでは、心配と心細さで寝ていられないだろう。

     

強い日差しに当たって暑い・・・汗だらだら。
ザックを下ろすと、何はさておきまだ冷たい発泡酒をやる。
う〜〜たまらん!



一息ついて、さくっと建てます。
pm4時頃なのだが、日がまだ高い・・・。
ココは木陰がないので直射日光がつらい。

     

念のため持って来ていた幕体を連結、前室を作ってみる。
うむ、ジャストフィット、結構良い感じ・・・。

     

炊事棟の飲用水もでるし、男女別に数機あるコインシャワーも使用可。
日差しを除けに、少し炊事棟で涼む・・・



紺碧の海、奇岩が並び、波打ち際は白く丸い石の絨毯。
好いですね〜。

     

潮騒と潮の匂い・・・
酔っています・・・この素晴らしい雰囲気に。

MP3プレーヤーを持ってきたので、当HPのBGM付スライドショーの「行合崎」で流しているパットメセニー・グループの曲をイヤホンで聴く。
曲は「MAS ALLA(BEYOND)」(邦題:もっとむこうに)「PRAISE」(邦題:賛美)・・・アルバム「FIRST CIRCLE」(1984年)の収録曲です。
特にこの行合崎での幕営風景と夕陽の情景に「MAS ALLA(BEYOND)」を合せると、得も言われない独特な雰囲気を醸し出し、自分の中で出来上がってしまった。



ようやく、日が翳って来ました。
素晴らしい夕陽の風景がはじまりました。



あぁ、綺麗な夕焼け。
独り占めの風景です。

自分で作ったスライドショーをいつもPC越しに見ているが、今は現実にその場に佇み同じパットメセニー・グループの曲を潮騒とともに聴く。
絵葉書のような素晴らしい海岸風景、水平線上のやるせない夕陽の情景、潮騒に混じり聴く清らかな旋律・・・

訪問した場所に滞在することで、そこの土地の自然や環境と各人とが対峙すること、それが幕営だ・・・有名な景勝地でも、知られていない一角(ひとかど)の場所であっても。
そして良くも悪しくも全てを五感で受け、様々な感動に包まれることの悦び・・・
幕営の主役は、訪れた土地の幕営場そのもの・・・それが自分が目指すべき幕営ではないかな、と改めて思う。



あぁ・・素晴らしい・・・素晴らしすぎる・・・最高です!
この大自然が作り出した景観の美や風や潮騒の音を余すところ無く感受するために、何かに導かれるように、こうしてはるばる遠くまで来た。
日本海に落ちゆく夕陽に照らされて・・・感動の幕営。

      

日が暮れました。
暑さも納まり、心地良いです。

夕食は、先の風合瀬(かそせ)の道の駅で買い求めた「イカ寿司」、これはこの辺りの地元料理だ。
以前食べたときは、酸っぱすぎてイマイチだったが、今回のは逆に酢が感じられない・・・醤油があるとうれしいかも。
でも満足、もっちりしてやさしい味わいが美味しく、この質素な旅人の空腹を満たしてくれる。
そんな旅人は、箸・・・忘れていました^^)・・・ナイフの先に刺して、口を切らないように運ぶ(汗



マッタリ・・・静かな行合崎の幕営。
暑くも寒くも無く、ほんのり潮の匂いと心地良い潮騒・・・本当に居心地最高ですよ。
あぁ、本当に最高な幕営です。



名物のイカ寿司で満腹。
潮騒を聞いているうちに、早々、眠気が来てしまいました・・・^^
もっと起きて居たいけれど・・・



夜は涼しく、心地良く寝れた。



明け方はぐっと気温が下がったのだろう・・・
シェルタの内側の草の葉の先には、水滴が付いていた。

     

うまい具合に、早朝だとテントには朝日が当たらず、まだ涼しい。
岬に朝日が当たって美しい。



遊歩道で岬突端へ散歩しよう・・・。



「行き合いはん 岬は草の 花だたみ」・・・草に埋もれるように歌碑が。

      

岬の突端から自分のサイトを見下ろす・・・。
周囲の風景も素晴らしい。

     

ゆっくりしているうちに、テントのほうも日が当たってきてしまった・・・あちぃ^^)
そろそろ撤収か・・・名残惜しい。

      

一式の道具をザックへ詰め、長い階段をまた上がる。
駐車場へ戻る僅かな距離を歩いただけで、また大汗の出るような真夏の暑さだ。
朝方の心地良い肌寒さが嘘のようだ。



行合崎キャンプ場・・・
車から遠く離れることや、大掛かりなキャンプ道具を運び入れることも断念せざるを得ない条件の悪さ・・・。
がしかし、この風光明媚な岬風景のなかに佇み、幕体を拡げられる時の感動はなんとも言葉にならない。

このキャンプ場での幕営は、自分にとって幕営とは何か?幕営することの悦びとは何か?を改めて問い掛けてくるように思われる。
道具の豊富さでもなく、豪華な食事でもなく、大勢の会合の賑わいでもない・・・。
この行合崎キャンプ場というところは、それらの要素を拒むが如くの条件の悪さにもかかわらず、自分のような幕営好きの者を惹きつけて放さない。

この行合崎に限らないが、たとえば・・・風や草の匂い、潮騒の音、奇岩、紺碧の海水、弓なりに伸びた湾岸・・・。
その場に独り佇んで過ごしてみないと味わうことが出来ない時間、幕営場の味がある・・・

幕営とは何か?幕営の悦びとは何か?
そんなことを問い掛けてくる場所なのです・・・。





END




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