天空の野営地
2014年 5月

天気の良い、いつもの週末の休日です。
しかし前日は強風が吹き荒れており、一晩明けた今日もその風が残っておりました。

山へ向かうか野営に没頭するか、少しばかり決めかねていました。
あちこちの状況を調べてみると、強風に雨、低温とで山の上は荒れ模様のよう・・・。
そんなときに山に登っても何も愉しみは無いので、あっさりと野営にする。



まずは県内の野営地へ・・・
様子を伺いに向かう。

     

風が強い。
雨が横殴りで降ってきた。
寒い・・・気温6℃

場内は湿気った感じで、今日はイマイチな状況。
寒さは何とかなるが、この強風と冷たい雨はいただけない。
時間もまだ早いので、固執せずに別な場所へ向かう。

麓に下りて、車にガソリンを補給する。
ガソリン単価が消費税UP後は高騰したままで、以来、気軽に給油できない気分・・・。
特に今日は、軽自動車が空いてなかったのでツライ。



さて、次に着いたのは町の里山にある広場である。

今日の野営地をどこにするか記憶を巡らしたときに、懐かしさに駆られて来てみた。
この場所は私が10年以上昔に発掘した野営地の一つなのだったナ・・・。
以来、数度ほど利用したことがある。

今日はもう何年ぶりか?・・・という、遠い記憶の野営場所になってしまっていたのだった。



場内に来ると、丁度、この広場でボール遊びをしていた子供連れのファミリーが車に戻って帰り支度のところ・・・
入れ替わりで車を降りて場内の状況をみる。

昔にこの野営地に初めて来たときのことを思い出して、感慨に耽ってしまう・・・笑
こんな素晴らしい場所があって幕営出来ることに感動を覚えたものだ・・・。

   

屋根つきの水場には使えるかどうか解らないが、かまどもある。
トイレ棟・・・取り立てて立派ではないが使える。
ということで、設備は簡素ながら野営には必要充分。



標高は高くないけれど、この広場の佇まいがまた好い。
脇のほうに無線施設もチラリ見えたりするが煩くは無く、むしろこの東〜南〜西方面への開放感が気持ちよい。

こうして眺めると、まるで天空に浮かんでいる野営地のようにさえ思えてしまう。

広場はこの先丈の長い草に覆われてしまうのだが、今日の状況は良好だ。
やはりこの野営場所は好い。



サクッと張る。

風が吹いていて、かつ寒い。
フリースを着込んでみるが、風が当たると寒さを感じる。

     

この広場のシンボルとなる天然岩。
登頂する・・・笑



上のほうに見えるのが通信施設。
この広場へはそこの前の道路を下がってくるが結構な急坂で、例えば冬の通行止め時期の前後には路面状況は怪しくて絶対に来るべきでない・・・
4WDでも凍結路の急坂でスリップすれば登坂はキビしく、遭難する可能性大・・・自分も一度なりかけた経験がある。

広場前の大屋根の下は雨などのときはいいだろうが、そんな天気のときにこの山の広場に来ても楽しめないだろう。
せいぜい、結露で濡れた幕体を広げて乾かすくらいにしか利用のアテはない。

      

風が強く寒い・・・。
期待の眺望も、厚く垂れ込めた雲のおかげでいま一つ山並を遠望することが叶わないのでした。



この広場脇の側道は、以前より手入れされたように感じる・・・砂利も敷かれてちゃんとしている。
仕切りとなる植え込みのツツジが色を添えている。

車のサンルーフ2ヶ所を開けたままにしていたのに気がつく・・・閉めておかなければ。
昼間のドライブのときは日差しがあって暖かかったのだ。

この野営道具もとうに12年を過ぎ、13万キロを越えた。
乗り心地はいいが燃費が悪い。



日が落ちてきて、夕暮れ時・・・。
雲に邪魔されて、綺麗な夕焼けにならない。

     

夕日のオレンジ色に照らされる。
長く影が伸びる。



ホントに風が冷たくて外は寒い・・・

ここで、お茶からウィスキーへ切り替えて晩酌。
ハイニッカはやはり野営の供にはぴったりだ。



今夜は月も出ていないので、周囲は完全な漆黒の闇・・・。
依然として風があるので、幕体の換気の具合が丁度良くて結露もしないので快適にいられる。

     

やがて夜が更けてくると、しだいに風も静かになってきて好い状況になっている。
静かにグラスを傾け風の音を聴いている。

好い晩だ・・・。



寝る前に夜景を堪能する。

眼下の市街の灯りだ。
標高の高くない場所だから、こうして綺麗に夜景が見られる。



さて・・・寝るか。



am5時、目覚めは鳥の鳴声が少し煩い・・・特にカラスが邪魔。
その後、明るくなってドアを開けてみる。



風は無いが、相変わらずどんよりの厚い雲。
さらに日が高くなってくると、やがてカラスの声は遠ざかり心地良い野鳥の声がのどかに鳴っている。



天空の野営地・・・とでも呼ぼうか。(笑



湯を沸かして、気分良く朝食にしよか・・・。



人の話し声とエンジンの音がし出したので、見ると草刈作業に二人来ていた。
ご苦労様です・・・と、この後に挨拶するといつもこの時期に草刈作業を行うのだという。
この先の時期、この一帯は地元の方々のいこいの場として活用されており、それに備えての作業とのことです。

なぁーるほど、来週に来れば草刈後の雑草の無い芝生の上で、さらに心地良く野営できるのだな・・・って?(笑



さて、そろそろ野営を〆よう。

久しぶりに訪問した野営場所であった・・・
以前と変わることなく、とても好いロケーションに癒された。

      

見やる方向によっては「天空の野営地」・・・。
地元の人しか知らないであろう、そんな素晴らしい場所だ。



時節柄、周囲はツツジが見頃を迎えていた。




END




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