三ノ倉高原キャンプ場(福島県)
2014年 6月
6月、梅雨時であります。
この2週間ほどは、まさに大梅雨といった様相でした。
そんな梅雨でも中休みがあるようで、この週末の天気模様はその梅雨休みにあたっているようでした。
今回も所用のために思うようには遠くのエリアへは出かけられないもので、行き先を思案しています。
さしあたりは猪苗代湖畔へと考えて車を走らす。
米沢市でR121に乗り、大峠の手前で旧道をドライブしたくなり分岐を左に下りる。
R121のバイパス道の下を潜り旧道を行く。
が、・・・あっけなく通行止めになっていた(笑
面白そうな峠道なのですが、残念であります。
一時的通行止めなのか、もう解除しないかはわかりませんが、いずれまた来てみよう。
さて寄り道も無くなってしまって、喜多方市街手前の熱塩加納町へ着く。
周囲は小雨模様で風が異様に冷たい・・・外気温17℃、寒さを感じる。
旧大峠道のドライブが出来なかったので、時間が余ってしまった。
外は予想外に寒いので、温泉に浸かる。
いつもの「夢の森」、安くて綺麗なのが魅力の温泉施設だ。
一時間半ほど温泉にゆっくり浸かって、ちょこっと広間で寝転がりTVを見ながら・・・と、堕落してみる。
自販機でコーヒー牛乳を買い、コンビニのパンを食べる。
あー時間がもったいない・・・こんな自堕落なことならば、思い切って朝の用事はキャンセルして秋田・青森方面へと弾丸ドライブに出て気合注入としても良かったのに。
本日、この先はドコに向かうか?
予定通りに猪苗代湖畔・・・にする前にせっかくだから後側の山の上にあるキャンプ場を見に行こう・・・三ノ倉高原キャンプ場だ。
奥に見える小さなスキー場の上にあるキャンプ場なのだが、そこはもう数年前から場内のカンバンも朽ち果て埋もれてしまい、すっかり廃墟状態だ。
到着・・・以前と同様、状況には変化無く見える。
炊事施設やその周辺は相変わらず草の刈払いも無く本来のサイトには入り込む隙もない。
右手側の広場のほうは、小雨に濡れて湿気った感じだが夏草もほどほど・・・さほど悪くない状況に思えた。
この廃墟の様な情景には「寂」としての魅力がある。
この先、天気がどうなるかわからないが、ココでの野営に心惹かれてしまい当初目的の猪苗代湖畔への興味は薄くなってしまった。
このような寂びた野営場所に来ては幕体を広げて、その場所を愛でるように楽しむような変人は、こんな野営マニアな自分くらいなものだ・・・。
そんな訳で、今日はここに荷を降ろした。
時折小雨がぱらつくので設営を急ぐ。
念のために持ってきたこのタイプの幕体、これが今日は良さそうだ。
麓では強風で心配してきたが、上がってきてみたら弱い風でホッとした。
うーむ、イイ感じだ。
このまま雨が降らなければいい。
気温計を見ると15℃か・・・寒いので一枚着込む。
寒いので、何はさておき湯沸しして熱いお茶にします。
周囲の状況はコロコロ変わる。
時折、霧に囲まれたり、小雨になったり。
三ノ倉山にも雲が掛かったりし始め、黒い雨雲がこちらにも流れてくるのがわかる。
一時的にその霧に煙ったりするが、すぐに退く。
時折小雨になって、依然として湿気った状況。
かと思うとその40分後には黒い雲が流れ去り、青空も覗くようにもなる・・・。
青空が広がり始めると、空気も乾いた感じとなりカラリとしてきた。
僅かの時間にこれだけ変化するとは面白いものです。
広場の真ん中には、だれの仕業なのか直火でやった焚き火の残骸が放置されていた。
コレが小汚く見えて許せない悪さだ。
ファイヤーサークルが無い場所では直火はやってはいけない。
焚き火ならこういう風にやりたい・・・(LINK)
仕方が無いのでワンカップの蓋や他のごみを拾い集めて、木材の残骸はきちんと灰にすべく焚き火台で燃やす。
こんなのはまったく心地悪い焚き火模様ではないか。
燃えるものはすべて燃やし、ごみも拾って集まっている石も除ける。
しかし、どうしても黒々とした炭跡は地面に残ってしまう・・・いずれ草が生えるのを待つしかない。
いつしか青空が広がり、心地良い状況へなっていた。
周囲に見える山々の風景も、ココの魅力だ。
展望が利いてきた。
三ノ倉山の向こうに見える鉢伏山、その奥には飯森山が続く・・・懐深い山域で往復10時間のロングコースだとか、それでもいつか登りたいものです。
方角を変えて見やると、そこには磐梯山がくっきり現れていた。
なんと素晴らしい風景か。
やがて雲が茜色を付け始めると、さらに一層憂いを漂わせる情景が素晴らしい。
猪苗代湖畔からとは違って、こちらからの方角で見る磐梯山は荒々しい姿だ。
それにしても今日は、こんな素晴らしい山の風景を堪能できて来た甲斐があるというものです。
一連の風景をテントに居ながらに堪能していました。
やがて灯りをつける。
周囲の物音が無くまったく静か。
マッタリしたイイ晩となり、ゆっくりと時間が過ぎ行く。
この野営地の状況が整って素晴らしく落ち着いた、善い情景だ。
ランタンの白い光が幕体の前を照らして明るい。
幸いなことに、今日は虫が寄ってこない・・・まだ虫も沸いていない時期なんだろう。
幻の銘酒、NIKKA・G&Gを遣る。
しみじみと善いウィスキーで、自分は今のスーパーニッカよりパンチのあるコレのほうが好きですね。
男の野営の伴には酒だ。
だから自分の野営には必ず酒が脇に添っている。
そして酒と寂びた野営との記憶が一体となって、その酒の味で野営場所や情景を想い起こされたりするものだ。
今日の収穫は夕方に望んだ山々の風景で、大変に満足。
心地良く寝よう。
目が覚めると、周囲は真っ暗で雨音が凄い。
幕体を突き抜けるのではないか?と思わせるような大粒の雨が落ちているようだ。
この大きな音で目が覚めたのだろう・・・
時間はまだam3時・・・寝るときは全く好天状況だったのに。
しばらくするとその雨も止み、また静寂に戻った。
テントの中は平穏、こういうときは少し大きめの幕体の下は安心感がある。
安心して寝直す。
こうして雨の下の幕営というのも、一種特有の風情がある。
am6時には好天模様で日が射していた。
気持ちのいい朝模様でゆっくり過ごす・・・。
名残惜しいが早めに撤収、am9時過ぎ。
帰路は米沢に戻り、小野川温泉・小町の湯で温泉に浸かる。
今回のラジウム卵は「つたや」さんにて購入でした。
END
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