石蔵山林間広場(石蔵山村民憩の森)(岩手県)
2019年 11月

住所:岩手県一関市川崎町門崎字石蔵地内
料金:無料

今年も早や、冬の入りの時候だ。
ちらほらと初雪の話も流れてます・・・

毎年、同じことを言ってしまうのですが、こうも時節の移ろいというか年月の過行くのが早く感じるものか、と。
まぁ、そういうところにも季節が変わって行く侘び寂びを感じるものなんだろう。

それにしても今年は、一段と暑かった夏とその後の台風/大雨災害のインパクトが強く印象に残ってしまった感あり。
そんな年も冬に入った頃合いでの、独り野営です。



ここしばらく冷たい風の吹く日が多く出控えていたのですが、今日は良い日和だ。
風は弱くなったが、最高気温5度と冷える予報。

さしあたり今回の目的地は、岩手・姫神山一本杉園地と定める。
状況良ければ、南部富士・岩手山に沈む夕日の神々しい絶景パノラマを観に行きたいのだ。

    

北上する基幹国道・R4の渋滞を避けようと、奥松島から三陸自動車道(復興道路)の無料区間に乗る。
順調に進んだつもりですが、出立が遅かったのかこの時点で既に11時を回ってしまった。
当初目的地の姫神山一本杉園地に着く頃には、おそらく日が暮れてしまうことだろう・・・日没も早まった時期でもあるし。

宮城から遠い岩洞湖や一本杉園地方面での野営には、要早起き&要短距離ルートで向わねばなりません・・・
今回はそういう気合が足りなかったなぁ〜凹

さて・・・
出来るならば日の高いうちに野営地入りして、マッタリとその場所の雰囲気や冬の寒さを味わいたいです・・・それが野営での楽しみ。

どこか好い野営処は無いかと巡らすと、何カ所かを候補に思い浮かべる。
まず、そのうちの候補筆頭は一関市川崎町の石蔵山だ。

その石蔵山の野営スポットは、自分が通い始めてからもう今年で13年目となる場所です。
当時、この場所の素晴らしさに感激して「天空の野営地」と名付けていましたね。
以来、頻繁には来ることが出来ないまでも、それでも前出のように長い付き合いになっているお気に入りの場所です。


今年も4月に訪問しているが、昔と変わらず大変良き野営スポットです。

そんなことを思い出し、期待を胸に途中の針路を変更する。
登米に来たところで三陸道の無料高速から逸れ、北上川に沿って上がっていく。



この道も既に通い慣れた道路ではあるけれど、対向車と交差できない細さは何度通っても緊張する。
やがて大きな橋を渡ると川崎町。



石蔵方面へ向かいその麓から見上げる・・・あの小さく見える送信施設のアンテナ付近が目的地である。

    

毎度の判で押したような道順でいつもの分岐を繰り返して、この踏切を渡るといよいよ目的地への取りつきとなる。
この先、クネクネと曲がる細い道が連続して、対向車があるとスライドが苦しい。
途中、民家の脇のガードレール沿いに誤って上がって行きそうになるところが一ヵ所あるので、そこだけ注意すれば問題ない。

   

目的地手前2km、最後の分岐点。
指導票にて麓からしっかりと表示されており案内されるが、前出の一ヵ所のみ注意。

    

その先、ご覧の通り山に登って行く感覚ですね。
目的地までは車一台分ほどの細い道路ですが舗装された道です。



石蔵山の岩峰下斜面・グラススキー場のゲレンデ脇を過ぎ、熊野神社の前を通過して送信アンテナ施設の脇を下ると目的地の野営スポット、林間広場に到着です。



印象的な自然岩を目前にした広い場所が、自分の定番位置。
空を見ると天気は曇りになっていた。



トイレと簡易な水場は既に冬季の止水となっていたが、地元の委託管理者であろう方がゴミ拾い掃除されていたので話を伺う。
やはりこの林間広場も、2年程前からは多くのキャンパーで賑わうようになり驚いているらしかった。

そうは言っても、ここはまだまだマイナーな所でありゴミの散乱や枯草を焼くような直火の痕なども見られず、まずまずのコンディションが保たれているように感じます。
昨今、多くの人が集中するキャンプ場事情を見聞きしますが、その惨状たるや複雑な思いがします。



先の委託管理人さんによれば、この岩も公園を造る際はそのままの状態で囲い整備したそうです。

   

この広場の印象的なモニュメントのようでもあり、また、自然が造り出した造形で鎮座することにより、なにか厳かな雰囲気も醸しているようでもあり・・・
それがこの野営地の大きな魅力の一つだと思っています。

素晴らしいエリア、場所だと思うのです。

   

広場を覆っていた夏草は刈れており足元はスッキリ、とても心地良い。
小高い山の上にある場所だから、気温は更に下がっているはずでいっそう冷たい空気感・・・
風の無いのが幸いしていて、時折、日が当たると暖かく感じる。

まったくもって「冬」の季節感だ・・・
それでも脳裏にはあの酷暑だった真夏の記憶がつい先日のように思われて、やはり季節の移ろいの速さを実感させられるのです。



天空の野営地とするならば一段下の草地の突端が良く、今回は浮遊感も味わえるその突端にしようとも思ったのですが結局は自然岩のある広場に落ち着いてしまいました。
その突端地は草地なので、やはり上側の広場に比べれば接地のコンディションは言わずもがな、それに酒酔いする者には向こうに転げ落ちる危険性あり(笑。
半面、その一角は夜景が眼下に広がる場所であり、夜になった時のロケーションが素晴らしい。



冬になると連れ出す事の多くなるこの幕体・テントは、およそ16年選手。
こうして未だ現役で働く。

今年の夏に初めて洗濯、撥水処理とメンテナンスしてみたところ汚れが落ちて明るい色調に戻り(笑、手触りも良くなった。
よほど汚れていたんだなぁ・・・でも昔の製品って古くなってもちゃんとしてるというか作りが良いというか。
まだまだこの先も稼働できそうです(笑

   

焚火は要らないかともおもいましたが、風もなく外のコンディションが良いので野営人の性(さが)でやってしまう。



この広場の象徴でもあろう自然岩はまるで御神体のようにも見え、そこに篝火(かがりび)然とした焚火の煙がたなびく。



まだpm4時前頃と言うのに、すっかり夕刻を思わせる風情となる。
西の空に早い夕刻を迎えるように茜色が覗く。



やがて一関の街灯かりが点きはじめる。



幻想的に染まる西側の空・・・冬の夕暮れ。



pm4時半過ぎ、もうこんなに街の灯がくっきりするようになった。
冬の日暮れは早い。



やがて、日がとっぷりと暮れて夜となります。
夜景は更に明るさを増し、暗闇に浮かび上がっている。

   

焚火を前に独酌を楽しむ。
依然気温は下がっているであろう、手袋を外すとすぐに凍えるように冷たく感じる。
焚火の熱量が心強く、また風の無いのが幸いしている。



夜空には綺麗な弓月が冴える。
さらに頭上にはオリオンがくっきり。



今夜の夜景を見納めます・・・やはり夜景は綺麗ですね〜。



焚火の火が収まるのを見届けて就寝。
静かでイイ晩です。



目を覚ませばam6時。
薄明るい。

   

朝焼けが始まっている。
外は冬らしい寒さ。



昨日は曇りで望めなかった栗駒の山々も、朝焼けに照らされて朱色に見えている。

   

次第に日が射し始めるけれど今日の天気は基本、曇りのようです。



栗駒山と周辺の山々は雪化粧を始めていて、それが朝日に照らされて素晴らしい風景を作っています。
素晴らしいロケーション。



朝日はすぐに翳り、どんよりとした曇りの状況。
空気も冷たい。
湿り気が無いのが嬉しい、周囲はカラリと乾いています。

    

自然岩をぐるり散策・・・



広い場内を見納めて撤収。
今回も好い野営だった。

石蔵山の林間広場、昔からマイナーなこの野営スポットにも多くのキャンパーが来るようになったが、いまだ荒れ果てず好い状況で健在/素晴らしき稀有な場所です。
願わくばこの先、ルール無視の一部のキャンパー/BBQグループなどに場所が荒らされないように願うのみです。
直火、広場への車の乗り入れ(二輪車も)、花火の残骸やゴミの投げ捨て、BBQ狂宴などは厳に御法度、いつまでも好い状況で利用できることを願いたい。

なおこれから本格的な冬になると、麓からの細い急坂の道のりは凍結・積雪となり4駆車でも来るのは本当にヤバいです、転落の危険ありですので止めといたほうが吉。
真冬、自身もこの途中の急坂で危ないスリップ経験ありで、その反省から血気盛んな雪中キャンプ・ブームを感じての老婆心です・・・



年内、雪降る前にもう一度再訪したいけれど叶うかどうか・・・



池に薄氷が張ってました。
やはり氷点下だったのですね〜冬になったのを実感。

   

池の脇から熊野神社へ参拝します。



来た時と帰るときには必ず参拝しています。

昨日の委託管理人さんによれば、ここの公園ができる以前の昔は麓から山道を登って来る場所だったと言います。
春と秋には神社の祭りがあって、その昔から連綿と続いているらしいです。



石蔵山へ来るときに見えていた麓の銀色の大鳥居が、この熊野神社の参道の起点だったのです。

   

この大鳥居から、左上に見える送信アンテナ施設脇の熊野神社まで、山中に延々と参道が続いているということになります・・・。
いや、凄いことですよコレは。

こうしてみるに石蔵山全体は、本来厳かで神聖なエリアなんだと思います。
石蔵山での野営キャンプでは、なおいっそう襟を正して敬意をもってを心掛けたいものです。



現在もこの鳥居をくぐり、先の熊野神社のお社まで歩いて行けるという。
いずれ、トレッキングで歩いてみたいですね。



名残惜しい気分で麓に下ります。
今年も、もう12月か〜師走だなぁ・・・






END




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