くるみ台キャンプ場(秋田県)
2023年 9月

秋田県山本郡藤里町藤琴字藤琴沢国有林
料金:無料

二日目



秋田の法体園地キャンプ場を後にして県道70号へ戻ってきたところです。
右折だと昨日のルートに戻ることになり、”芸”がないので左折で矢島町へ入る。

そうなると自然に北上ルートになりそう、日本海側のR7へ出て男鹿半島をぐるりとドライブするのもイイね。
そっちの方向に舵を向けて進んでゆく。

同時に、今夜の寝処の検討をする。
青森まで行ってしまおうか?津軽半島?
無料キャンプ場なら、男鹿半島の大潟村の「南の池キャンプ場」、三種町森岳にもあったし、能代だったら毘沙門もあったし・・・

まぁ、今はこのドライブの車窓風景を愉しんでます。
自宅の近隣と違って、ごくたまにしか訪れない地域でのドライブなので、どんな風景でも楽しいものです。



さて、秋田市の市街地に入り男鹿半島へ分岐して行こうとした頃合いでちょうど昼頃となってコンビニ休憩。
この先、天気がパッとしないので早めに寝処を決めたいし、男鹿半島に入ってしまうと馴染みの無料キャンプ場へはかなり遅くなってしまう・・・

う〜〜ん?!とコンビニおにぎりを頬張りつつ、この先をどうするか考える。
結論は、男鹿半島へは入らず先日の野営旅でも脳裏に浮かんだ、北秋田の「くるみ台キャンプ場」を目標とした。

うむ!あそこならお気に入りの指折りの場所であり、今回は好い行先だ。
ここから向かうと、到着は夕刻前の程よいタイミングだろうと思う。



およそ、このようなルートを辿ってる・・・
今日はたいして走ってないな、あっという間のドライブか・・・

   

R7で二ツ井まできて、県道322〜県道317と分岐して辿る。
里から離れるとゲートがあらわれ、通過すると細い道は更に深山の趣が増す。

この先の道は、それまでの大雨災害での斜面の崩れが補修されており、きびしいエリアとなる。

   

大良峡(だいらきょう)を過ぎてようやく分岐点へ着く。



左側は”釣瓶落(つるべおとし)峠”を通り青森西目屋へ抜ける細い道路だが、今は通行止めになっている。
ジツは明日、この道をドライブして青森へ行こうかとも思っていたのだった、残念・・・。

目的地のくるみ台へは、左へ入り黒石林道へ入ってゆく。



その昔、くるみ台野営場へ通い始めたころは、この黒石橋を過ぎてしばらくすると未舗装の砂利道だったのだ・・・
そこからは延々と荒れた未舗装林道で、華奢な軽自動車なんか大きく揺れて恐る恐る現地へと通ったのだ。
現在はすっかり野営場まで舗装化が進んで、辿るのなんかはなんとも楽になったものだ。



くるみ台キャンプ場、到着。
ここから左手に下りるほうは荒れていて車低を擦りそうなので、その先のほうの道から下りることにする。

   

うむ!
野営地には誰も居らず、静かにじっと佇んでいる・・・

ああ、善き・・・!



心配だった夏草はそれほどの丈の高さでもなく、程ほどの状態で良かった。

   

場内にはバイク(二輪車)を乗り入れないように警告あり、誰が見てなくともルールは守る様にしてくださいね。
水場では、各水道蛇口から水が出る。
特に表示がないので飲用可であろうと思って、昔からこれまでも不都合無く利用してきてます^^)



いつものようにヒッソリと此処には誰も居ないので、居心地の良い東屋を利用させてもらう。
すぐ脇には、渓流がサラサラと水音を立てながら流れている。

   

トイレ棟はこんな山奥にしては立派な建物だ。
水洗洋式で水も流れているが、季節によっては止水されていて代わりにポリタンクに水が用意されていて用済みに自分で流すことになる。

   

柱には野火(野原での直火)は禁止との注意書きが掲示されてあった。
当然ファイヤーサークル意外で直火はしないし、燃え残りの炭が散乱しないよう配慮しながら焚き火を始める。

到着して以来、状況は小雨が降っているのだ・・・
湿気った雰囲気の場内でありながら、しかし、この焚き火のおかげで気分スッキリなのだ。

一式出来上がって、マッタリ寛ぐ・・・
ああ、この野営地が醸す風情がなんとも善き!

こうして、周囲の樹々に圧倒されヒッソリした一角にポツンと独りで居ることが最大の贅沢でもあり、得も言われぬ快感なのだ。
ソロキャンプたるもの、こうでなくてはいけない・・・

この、くるみ台野営場(以前は国設くるみ台野営場と呼称したのだ)は、自身の中でも特に思い入れの深い場所の一つ・・・
大のお気に入りの場所であり、個人的に大事な場所なのです。

   

焚き火の煙が、無風の空間に漂ってゆく・・・
その狼煙を見やりながら、いつもの野営酒を遣る。

ああ、なんと最高な気分か!
素晴らしすぎる・・・



しばらくして、寝処の幕体を設置する。
コレももう引退だろ?というくらいの古幕。

いつもながら、地面が砂利状でペグが刺さらないことで苦戦する。

   

老体のテントにも関わらず、またムチ打つように張る・・・
どうかこれからも、もっと頑張ってくれ・・・笑
前後左右対称形、2ドアで通気よくインナーにフライの定番の二重構造でボトムはPVCで防水シート、水が染みて来ず濡れた場所でも問題なく場所を選ばない。



小雨、天気が悪いので暗く湿気感あり。
早々にランプを灯す。

この情景に浸りながら過ごす・・・
ここはラジオの電波さえ入らない、夜になればなにかしら聴こえてくれるだろうが、いまは焚き火をあやしながら野営酒を呑む。
当然ながら、携帯は完全に圏外で使えず何かあったらヤバイよ。

そうした状況の下の、このヒッソリと隔離された野営地の情景こそが最高だ・・・



やがて日が暮れて、周囲は漆黒の闇に包まれる。
天気が悪いから昨日に見た半月の明かりもなく、まさに漆黒なのです。

闇の暗さには、ことさら焚き火の炎とランプの小さな明かりが際立つ・・・
その情景がなんとも言えない空気感、素晴らしく善き。

周囲を明るく照らす灯器はほかに持参あるが、そんなに明るくしたくない気分なのである。
自宅には閃光を放つColeman加圧式ランタンが数機も眠っているというのに、暑い時期には帯同せず稼働されないのは情けない限りです^^)
ちゃんと使ってあげないとな・・・



焚き火の薫香、炎、爆ぜる音・・・
立ち上がる炎を眺めながら、いつもの野営酒を遣る・・・



この情景だ、この空気感がイイんだよ・・・
時折、シトシトと霧雨が舞う。

頃合いでテントに籠る。
室内は、なんとも気持ちイイ。

ラジオには遠方の局波が受信できるようになっており、しばらくはそのラジオをBGMにして寝酒した後、就寝。



翌朝

目を覚ますと雨粒が幕体を叩いている。
ああ、今朝は雨か・・・



雨模様で日も差さず、薄暗くて雰囲気も重々しい・・・
それでも、テントの中にいると快適。
しばらくテントの中でマッタリ、そんな朝を過ごしてます。

   

外は、小雨としっかりの雨を繰り返す状態。
湿気を払うように朝の焚き火。

ああ、好いね・・・
なんだかこのままマッタリと、連泊したくなっちゃうな・・・

   

雨は止むことがないようなので、弱まるタイミングで撤収。
連泊したかったが、その後の車のラジオが伝えるところでは大雨予報となっており、結果はこの場を去って正解だったようだ。

今回は雨模様ではあったけれど、こういう風情もまた善い。
存分にこの最高な情景に浸り、味わった・・・

周囲の樹々が色づいて紅葉に埋もれるのも、もうすぐだ。
また、その頃にも来たい・・・



END




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